堀江さん。

堀江敏幸さんの作品が好きです。以前『熊の敷石』を紹介しましたが、『雪沼とその周辺』もかなり好きです。架空の田舎町が舞台で、ぬるめの出来事がゆらゆらと起こり、その中で人々が丁寧に生きている、そんな感じの物語でした。
『雪沼・・・』はゆるく連関した短編集なんですが、その中に『スタンスドット』という作品があって、この頃お気に入りのバンド、シュマリの作品に同じタイトルがあり、好きになった人が私の好きなものを好きかも・・・という、うれしい発見をしたのでした。
☆シュマリのstance dotこちらで⇒ http://www.myspace.com/musicashumari


で、今日は、また別の堀江作品を読んだので、記録を残しておこうと思います。

めぐらし屋

めぐらし屋

これ、物語の中にめぼしい出来事がぜんぜんなくて、ぬるいという点では『雪沼・・・』以上でした。でも、引き込まれてしまいます。主人公の様子や思いや動作の描写が鮮やかで、読み進むうちにすっかり親しくなっちゃって、だから、最後までつきあうよ。。。そんな感じでしょうか。
めぼしい出来事がないと書きましたが、物語の芯にあるのは、すごく不思議で魅力的な出来事です。発売から一年近くたってる作品ですが、まだ読まれてなくて、ちょっと温まりたいな〜とか思われる方にはおすすめです。
堀江作品は文学だなあと思います。