信念。

きょうは、先日来、話題にしている『君に書かずにはいられない』について。
これは、篠島秀雄さんというサッカーの元日本代表で、のちに日経連の副会長にもなった方が、昭和5年から奥田春枝さんに書き続けたラブレターをもとに、ふたりの控えめな恋愛が結婚へ、さらに秀雄さんが亡くなるまでと続くノンフィクションです。
この本を紹介してくれた私の先生は、93歳になる春枝さんのお宅をあることで訪ねたのだそうで、そうすると春枝さんが
「私たちのこと、本にして頂いたのよ」
と、うれしそうにこの本を見せてくれたのだそうです。そのときの春枝さんの「私たち」という言葉に、そして生きていた時のままに整えられている部屋の様子に、亡くなって30年以上たついまも秀雄さんが生き続けていると、私の先生は感じたそうです。
「仕事の成功もいいけどね、これも人生の成功のひとつの形だよ」先生は私にそういいました。仕事であれ恋愛であれ、ここまで気持ちを貫けたら、それは幸せだと私も思いました。でも、仕事より、やっぱり一生愛し続けられる人・・・でしょうね。
何にせよ強い信念を持っているということは美しいことです。秀雄さんの愛、エルレの『Don’t Trust Anyone But Us(俺たち以外、誰も信じるな)』というアルバムタイトル、別府史之君の地獄と呼ばれるレースに臨む心意気・・・どれも、私の心を浄化してくれるもの。感謝です。先生、ステキな本の紹介、ありがとうございました。

君に書かずにはいられない―ひとりの女性に届いた四〇〇通の恋文

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