ツール・ド・北海道は無事終了。

先週始まったツール・ド・北海道もとうとう終わっちゃいました。
昨日は札幌のまちの真ん中、大通公園をぐるぐるまわるクリテリウム。あいにくの雨でしたがレースはすっごい迫力でした。ポイント賞の、いわゆる“圏内”の選手がどっさりいたこともあって、みんなして狙っていくからスピードの速いこと速いこと。
もちろん総合争いも1位の西谷泰治(にしたにたいじ)くんと2位の鈴木真理(すずきしんり)さんの間には6秒差しかないから、守る方も必死です。なんたって、四つも設けられているホットスポットをひとつ1位通過するだけで3秒ゲット、ゴールで1位なら10秒も稼げるのだから、数字の上では逆転は十ありえます。
だから、雨だし史上初の都会クリテだから安全第一で…な〜んて、言う方が無理ってもんです。もうみんな命がけ。
でも、リーダージャージの西谷くんに危なっかしいところは全然ありませんでした。ずっと前方に位置取りして、ホットスポットは必ず狙いに行くくらいの勢い。アシストの別府匠クンは早々とメカトラで回集されちゃったけど、スピードマンの盛一大(もりかずひろ)くんがいてくれれば、アシストに不安はありません。でも、もし西谷くんひとりだとしても問題なく行けそうなくらい、集中したいい走りをしていました。そして、真理さんとの差は縮まるどころか開いていくばかり。
ゴールも西谷くんは2位に入って、さらに6秒ゲットでダメ押し。ステージ優勝者のガッツポーズのすぐ後ろで総合優勝者が同じくガッツポーズしているという、ちょっとお目にかかれないレア物ゴールシーンとなりました。この場面の写真はツー・ド・北海道のHPのニュース→プレスリリースで見られます。ぜひ、プリントアウトして取っておきましょうね。
かくして総合優勝は愛三工業西谷泰治くん。1981年2月1日生まれ。たぶん広島出身。たぶん日本大学卒。ツール・ド・北海道には過去7年連続出場、6度のステージ優勝、リーダージャージも過去2回袖を通しています。そして、今回第3ステージでステージ優勝し、リーダージャージを獲得、第4、第5ステージとそれを守って、ついに総合優勝となりました。スプリントではアジアでも屈指の実力者、しかものぼりにも強いという、ほんとうに強いチャンピオンの誕生です。かっこいいぞ西谷!
そして…
この日、ステージ3位はチームバンの水谷壮宏(みずたにたけひろ)さん。このレースを最後に引退です。チームメイトも最後は一生懸命アシストしてくれましたが、3位が精一杯という感じでした。でも、水谷さん自身はそれでかえって踏ん切りがついたようです。とても、満足そうな表彰台でした。
北海道で、日本で、そしてヨーロッパで、たくさんステキなレースを見せてくれた水谷さん。水谷さんというレーサーに会えた幸せを私は忘れません。ほんとうにありがとうございました。