クマ。

このところ、何かと話題にすることの多いクマですが、クマといえば私には外せない物語があるのです。大好きな川上さんのデビュー作。不思議な物語ばかり集まった短編集です。が、どれも妙に身近な出来事と重なってしまう、妙に切ない一冊です。表題作とその続編にクマが出ます(?) はい、クマが出ます。
クマと恋をすることはないと思うのですが、まるでクマに恋をするように叶わないことというのだったら経験あります。つまり、そういうところが川上さんの筆のすごいところで、シュールな物語がなぜか自分にもありそうなことに思えてしまうのです。リズミカルな文体も心地よいので、秋の夜長によろしかったら、ぜひ。

神様 (中公文庫)

神様 (中公文庫)